【2】預金封鎖・財産税に備える|ステーブルコインとハードウェアウォレットで資産を守る方法

仮想通貨投資

こんにちは、おじさんです。

前回は、日本の財政危機と預金封鎖・財産税の現実味についてお話ししました。

前回の記事はコチラ👇️

今回はその続きとして、

「もしその時が来たら、自分の資産はどう守ればいいのか?」

という視点から、現実的な対策として注目されるステーブルコインやハードウェアウォレットの活用法を、優しくお伝えしていきますよ♥️


預金封鎖は過去の話じゃない──キプロス、ギリシャ、カナダの教訓

💥 キプロスで突然発動された「預金カット」

2013年、地中海の小国・キプロスが財政破綻寸前に陥り、EUやIMFの支援を受ける見返りとして、前代未聞の預金カットが実施されました。

具体的には、10万ユーロ(約1,300万円)を超える預金に対し最大47.5%の課税(実質没収)が行われ、対象となる資産が事実上政府に奪われたのです。

同時に、銀行は閉鎖、ATMは引き出し制限、海外送金も停止。

“口座残高はあるのに使えない”という封鎖状態が現実となりました。


🏦 ギリシャでも起きた「使えない預金」

そのわずか2年後、2015年にはギリシャ危機が発生。

ユーロ離脱への不安が高まる中、政府はATMからの引き出しを1日60ユーロまでに制限。

海外送金やカード決済も止まり、国民は実質的に“お金を凍結された状態”となりました。

政府は「預金封鎖はしていない」と主張しましたが、使えないお金は預金とは言えません。

封鎖の実態は、名称ではなく“自由に使えるかどうか”で決まるのです。


⏰ 発表タイミングは「金曜の夜」が定番

こうした預金封鎖は、金融市場が閉じる金曜の夜に突然発表されることが多いのも特徴です。

実際、日本の戦後封鎖(1946年)も土曜の夜に発表 → 月曜実施という流れでした。

封鎖を週末に行うことで、メディアと銀行が沈黙している間に既成事実化する──それが“現代の封鎖”の典型的な手口です。


🇨🇦 民主国家カナダでも起きた「資産凍結」

そして、より衝撃的なのが2022年のカナダ

反ワクチンデモ「フリーダム・コンボイ」に対して政府は非常事態法を発動し、デモ関係者の銀行口座を凍結しました。

対象はデモ主催者だけでなく、クラウドファンディングで寄付した市民や中小事業者まで含まれました。

しかも、裁判所の令状なしに金融機関へ口座凍結を命じたのです。

つまり、カナダのような民主国家ですら、“政治的な都合”であなたのお金が止められる時代がすでに始まっている──ということなのです。

✅ このように、預金封鎖や口座凍結は「独裁国家の話」でも「過去の話」でもありません。

ごく最近、先進国で繰り返されている“現実”であることを忘れてはいけません。


🏦 デジタル円とステーブルコインの決定的な違い

2026年をめどに政府が導入を検討している「デジタル円(CBDC)」も、確かに便利な決済手段に見えます。

しかし、それは政府が発行し、政府が制御する通貨です。

たとえば、給付金の用途を制限したり、支給を取り消したり、使用期限を設けたり──自由に使えない可能性があるのです。

一方でステーブルコインは、民間企業や分散型プロジェクトが発行し、基本的に使い道も、保管方法も、移動手段もユーザーの自由です。

この違いは、「自由な資産」か「監視された資産」かという本質的な問題に直結します。


🌍 ステーブルコインの種類と特徴比較

今やステーブルコインは世界中に多数存在しますが、実際に使える・持つ価値があるのはごく一部です。

以下に主なステーブルコインをまとめました👇

名称通貨特徴主な用途
JPYC日本発、Web3対応国内向け支払い
USDCドル米規制準拠、信用性が高い国際決済、保守層向け
USDTドルシェア最大、取引量豊富海外取引・交換所
USDVドル発行時に仮想通貨をロック東南アジアで拡大中
EURe/EURSユーロ欧州圏のユーロ建て安定通貨為替分散・欧州向け


日本円に加え、ドルやユーロのステーブルコインを分散保有することで、円安や通貨危機への耐性が高まります。

🏪 日本ではまだ“使えない”ステーブルコイン──その理由とは?

ここまで読んで、「でも日本じゃステーブルコインってお店で使えないでしょ?」と思った方も多いはず。

はい、その通り。

2025年現在、日本ではステーブルコインを日常的に使える場所は、ほとんど存在していません。

これは、単に技術の問題ではなく、法規制の問題です。


📜 資金決済法による規制

日本では、2023年に改正された資金決済法により、ステーブルコインは「電子決済手段」として明確に位置づけられました。

この法律により、ステーブルコインを発行・流通・交換できるのは、銀行や信託会社、登録済の資金移動業者などに限定されています。

つまり、普通の店舗やネットショップが勝手にステーブルコインを受け入れることはできない状態なのです。

また、AML(マネーロンダリング対策)やKYC(本人確認)などの規制対応も、導入のハードルを高くしています。


🛠️ しかし、2025年は大きな転換点に

それでも、状況は着実に動いています。

  • 三菱UFJのProgmat Coin
  • JPYC社による日本円ステーブルコインの新発行(2025年6月1日〜)
  • GMO、SBIなどの大手企業も法令に準拠したステーブルコイン事業を進行中
  • Web3ウォレットを通じたリアル店舗での決済導入実験も始まっています

こうした動きが整えば、近い将来「〇〇Pay」や「ICカード」のように、スマホでステーブルコイン決済できる時代が到来します。


🔑 今のうちに持っておく意味

現時点で「使えないから持たない」という判断も理解できます。

ただ、法律が整い、インフラが整ったときにすぐ使えるように準備しておくことが、危機管理の視点では非常に大事です。

とくに、ハードウェアウォレットのような自己管理型ウォレットを併用すれば、いざというときにステーブルコインを即座に送金・変換することも可能になります。

🛡️ ステーブルコインは“備蓄型の保険通貨”

ステーブルコインの最大の利点は、価格が安定していることです。

非常時にすぐ使えるように“現金として寝かせておける”点は、ボラティリティのある仮想通貨にはない特徴です。

また、送金や支払いに対応するプロジェクトも増えつつあり、今後の実用性は拡大が期待されます。

ステーブルコインは、預金が封鎖される前に、自分で管理できる形にしておくための“デジタル備蓄”と言えます。

🤔 仮想通貨じゃダメなの?──その疑問に答える

もちろん、ビットコインやイーサリアムのような仮想通貨を使って資産を守るという方法もあります。

それらは政府の影響を受けず、国境も関係なく動かせるという点で非常に優れています。

しかし、価格が日々大きく変動するため、非常時の短期退避先としては不安定

また、「投資として保有するもの」と「現金の代わりとして寝かせておくもの」は、そもそもの目的が異なります

保管の難しさはステーブルコインとほぼ変わりませんが、“ブレない通貨”としての使いやすさはステーブルコインに軍配が上がります。

🚀 ステーブルコインは“動ける現金”──仮想通貨への即時変換も可能

さらに、ステーブルコインを保有しておけば、いざという時に仮想通貨にすぐ乗り換えることが可能です。

たとえば、円やドルが急落したと感じたら、DEXや取引所を使ってすぐにビットコインやETHに変換できます。

これは、銀行口座にある現金では難しい対応です。

入金処理、承認、送金に時間がかかり、タイミングを逃す可能性が高いからです。

ステーブルコインはまさに、「守る」こともできて、「攻める」ことにもつなげられる“柔軟な現金”なのです。


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